【キーワード】力の源泉(公式の力)

なぜ人は社長や上司の指示を受け入れるのか?もし、ルールからやや外れることをするように命令を受けた場合、それを実行するだろうか?

ここでは、力がどこから、どのように生じるのかを分類して取りあげる。

力の源泉には、公式の力(組織内の地位にもとづくもの)と私的な力に分けられる。まず、公式の力を見てみよう。

① 強制力

強制力は、相手の恐怖心を利用する。相手が強制力に反応するのは、「従わなければ良くない結果が起こるかもしれない」という恐怖心からである。

組織では、メンバーに対して解雇や停職、降格などができる場合に強制力が生じる。ただし、行使される側がその仕事に価値を見出してない場合は当てはまらない。

また、AがBの嫌がるような仕事をさせたり、Bにハラスメントを与えるような扱いをする場合にも強制力があると言える。

② 報酬力

強制力とは全く逆に、そうすることでメリットが生まれるので他人の望みや指示に従う場合には、報酬力が発生している。

したがって、AがBの目から見て価値のある報酬を与えることができるとすると、AはBに対して力を持つ。

他者が価値を見出すものであれば報酬は何でもよく、金銭的報酬(昇給、賞与)と非金銭的報酬(認知、昇進、希望する仕事の割当て、親切な同僚、優遇された勤務待遇や販売担当エリアなど)がある。

③ 正当権力

最も一般的に考えられるのが、組織が定める地位を通じて得る力である。取締役や部長、課長などが当てはまる。これを正当権力と言う。

正当権力には権威があるが、大体の場合は強制力と報酬力も備えており、さらに広い範囲で力を持っている。

それは、組織メンバーが職位権限を容認している場合が当てはまる。会社の社長や行政のトップ、学校の校長などが何かを言った場合、その内容が職位権限の範囲内であるとみなされる限り、話を聞いて従うことになる。

④ 情報力

情報へのアクセスを制限したり、情報のコントロールを行ったりできる場合は情報力を持っていると言える。

組織において他人が必要とするデータや知識を持つ人は、他者を自分に依存させることができる。階層が上のマネジャーである人ほど、経営上の重要な情報(売上、利益、給与など)を入手できる特権を持つことが多いため、そのようなデータを利用して部下の行動をコントロールしたり、方向づけしたりすることができる。

不確実性が高い時期に企業の業績に重要な情報を持つ部署、すなわち組織の再編時の経営企画部や重大な訴訟に直面しているときの法務部、M&A時の財務経理部、労使交渉時の人事部などは、不確実性が取り除かれるまでの間、組織における力を増やすことになる。

 

公式の力を手に入れるためには

力はあくまでも手段である。それが私欲であれ、公共の利益を実現するものであれ、何らかの目標を達成するために力は必要となる。

他者の支配欲が強いかどうかも、力を欲しがることに関係している。

いずれにせよ、組織で生き残るためには力が欠かせない。

新卒や中途で非マネジメント職として入社した場合は、公式の力として持てるものの範囲は狭い。

したがって、表面的な力を発揮するためには昇進・昇格が力を手に入れる最大のチャンスとなる。

しかし、上記の力のうち「情報力」だけは、どのような地位のメンバーでも身につけることができる。物事が進むスピードや変化が速い時代だからこそ、かえって情報力がものを言う。

組織内における影響力を増やしたいと思うのであれば、情報力がカギとなるだろう。具体的には、積極的な学習によって知識やノウハウを身につけたり、周囲の人が接する機会のない自分だけの人脈や情報源を手に入れたりすることが重要となる。また、上司や周囲のメンバーに関する非公式の情報(お酒に目がない、ゴルフが趣味、子どもが2人いる)も思わぬときに力を発揮することがある。

普段からの学習や情報収集をいかに習慣としているかが重要と言える。

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