セミナーの企画プロセス①

弊社設立以前から取り組んできた、年間シリーズのセミナーについて、企画から実施に至るまでのプロセスを共有いたします。

社会で働く大多数の人が、何らかの組織に属して生活しています。企業をはじめ、省庁や地方公共団体、NPO法人、社団・財団法人、ボランティア活動団体、趣味や社会問題を基盤とした任意団体などが該当します。

組織に所属する多くの個人が、人間関係や上司との関係をはじめとする悩みを抱えており、仕事上の様々な課題とともに矛盾や葛藤を持ったまま社会生活を送っています。

それらの矛盾や葛藤は「もやもや」となって個人内部に抱え込まれながらも、せめて愚痴や文句を言って刹那的には解消されるものの、日々の仕事や私生活の進行に埋もれてしまい、根本的な解決には至りません。

一時的に解消されるのであればまだしも、矛盾や葛藤を抱えたままモチベーションを低下させ、仕事上のパフォーマンスを落としたり、離職にいたる場合は、その個人にとっても、組織にとっても生産的なこととは言えません。

「何がそうさせているのか?」
「根本的な原因は何なのか?」
「組織はいったい何を考えているのか?」
「自分はどう身の振り方を考えればよいのか?」

組織について考える機会

仕事を有効に進めるスキルや管理手法、専門技術的な知識を得るセミナー、モチベーション、各種のコミュニケーション手法(マネジメント、リーダーシップ、コーチング、ファシリテーション)など、組織を構成する諸要素を断片化した学習機会が数多く存在します。

しかし、「組織について丸ごと考える」という機会はなかなかありません。

組織の規模が大きくなればなるほど、個人の努力で組織を動かしたり、変えたりするといったことには限界があります。断片化された知識や武器を入手して、組織に対峙しても多くの試みが失敗に終わってしまいます。あたかも、身体全体のことを知らずに民間療法で病気を治療しようとすることに似ています。

そもそも、組織がいったいどんな形をして、どのようなメカニズムで動いているのか、組織に対する全体観を持って臨むことは難しいです。かろうじて、トップだけが全体を見渡せる位置にいますが、トップはその景色を組織メンバーと共有することは少なく、さらには客観的に組織の姿を眺めることはほぼ不可能です。組織は、自分の姿を正確に客観視することはできない。

それでは、組織に属する人々はどのようにすればよいのでしょうか。組織の動きに流されるままに生き、気づいたときには環境や時代の変化についていけないようなキャリア的手遅れになっているのか?今のままではまずいと感じながらも、時間だけが過ぎて行くのを待つのか?組織を変えたいという思いを抱えたまま、何もせずにいるのか?

組織を客観視し、個人の立ち位置を冷静に見つめ、最終的な問いとして「では、自分はどうするのか?」について考える。そのような機会を提供するために、場の構想とデザインに取りかかりました。

構想とデザイン①

上記の考えを踏まえ、弊社は、組織に所属して働いていて、何らかの組織的課題について興味・関心を強く持っている人の協力を得ながら場の構想とデザインを進めました。

準備には半年程度をかけてじっくりと進めました。第一回目の概略を示します。

◇ コンセプト
いい組織をつくりたい・今の組織をよりよくしたい人へ
場としての3つの柱
①来たら勉強になる(刺激になる場)
②職場(日常)に戻って実践できる(ためになる場)
③モニタリングとフィードバックがある(サポートの場)
⇒「結局、自分はどうするのか?」という問いに行き着く

◇ 望ましい結果
“実践”につながり、“結果”を生む
組織変革、新規事業、何かを生むつながりがある
個人の成長と組織の成長(変化?)を実感・共有できる
がんばろうとするメンバーを温かく見守ってサポートする時間
自分も刺激を受けて実践する時間

◇ 方 法 
知識×知恵×刺激×モチベーション=実践and変化
ビジネスや組織に関する知識や考え方の材料
メンバーの悩み・組織の問題を話し合う
具体的な解決策を、各自の体験を交えて複数案提示する
どうするかは、本人が決める
その後について、自発的に話をしてもらう

◇ 対象 
組織に所属し、課題や悩みを抱え、外部の人と共有してもよいと思う人(社会人3年目以降)。

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