組織内のサブカルチャー
組織文化はメンバーの大部分が共通して認める優位の文化のことを指すが、一方で、組織内には多くのサブカルチャー(下位文化)が存在する。
全体的な観点から、組織に固有の特徴と考えられるものが組織文化であるのに対して、担当部門や地理的条件によって決められる特徴がサブカルチャーである。
会社としての優位な文化を保ちながらも、営業、管理、製造、人事といったそれぞれの部門や、本社、○○支店、△△事業所などの地域的な枠組みによる下位の文化によっても、メンバーは影響を受ける。
メンバーや部門が共通して置かれている状況、直面している問題、経験などが反映されて形成されることになる。
【図:組織文化とサブカルチャーの関係図】
サブカルチャーには部門トップの色が出る
部門の性質や地理的条件に影響を受けながらも、その部門や拠点の、責任者や実質の力を持つリーダーもサブカルチャーに対して強い影響力を持つ。
銀行の支店では、同じ地域にありながらもまったく異なる雰囲気や行動パターンを示す場合がある。支店長の人格的な器やリーダーシップスタイルによって、社員の行動するルールが変わるからである。
また、部門トップが実質の力を持たない場合は、キーパーソンとなる実務トップのやり方がサブカルチャーを形成する。
したがって、部門の責任者になる人は、その組織がこれまでどのような文化を持っており、メンバーの考え方や行動にどう影響を与えていたかを観察し、分析を行うことで独自色を打ち出す方針が見えてくるだろう。
もっともやってはいけないことは、長年形成された組織文化をまったく尊重せずに、一気に何もかも変えてしまうことかもしれない。
もちろん、組織が面している状況にもよるが、「変えるべきところ」と「変えてはいけないところ」を見きわめる力がリーダーには求められる。
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