採用面接のみでは判断しにくい項目について、筆記試験や適性検査を実施するケースが多く見られる。
しかし、面接で行われるような表面的かつ一時的なコミュニケーションや、筆記試験などで得られる情報から、本当にその人物が仕事ができる人かどうかを見きわめることは難しい。
そこで、注目されるのが実務試験である。
ワークサンプル法
海外の工場などで実務試験を取り入れているひとつの実務試験が、ワークサンプル法である。
ワークサンプル法は、職場または実務シミュレーションができる場で、入社後に担当する実際の仕事をしてもらい、そのパフォーマンスを評価する方法である。
ワークサンプリングなどとも呼ばれ、全体の作業工程から一部の工程を抜き出して観察・分析して、工程管理や業務改善、第三者による監査に用いられる手法であり、これを採用に応用したものとなる。
この場合、仕事の全体または一部を実施し、その業務に必要とされる知識やスキルなどあらかじめ用意されたチェック項目をもとに、実際のパフォーマンスと照らし合わせて評価を行う。
ワークサンプル法は、技術者や工場労働者のキャリア採用に主に活用され、筆記試験よりも有効と考えられている。
アセスメント法
ワークサンプル法が技術的な業務に応用されるのに対して、管理職や経営幹部としての能力を評価するための手法がアセスメント法である。
こちらも、応募者が入社後に実際に直面する可能性が高い問題や課題に対して、どのように対応するか、問題を解決するか、そのシミュレーションを行って評価する。
実業務から抽出された項目に応じて、面接や問題解決シミュレーション、グループ・ディスカッション、ビジネスゲームなどに取り組む。
単なる面接や書類からは得られない情報に触れられるため、採用後のパフォーマンスを予測できる有効な手法として、評価されている。
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